VN(ブイナイト)処理
VN処理(Vacuum Nitrocarburising)は、一部のステンレス鋼、合金鋼、炭素鋼向けの量産部品を主に、精密金型や精密機能部品の耐摩耗、耐焼付、耐食、疲労強度を向上させる当社が独自に開発した真空ガス窒化処理です。
量産部品、ダイカスト金型向けのご要望には低コスト&短納期で対応可能ですのでお問い合わせお待ちしております。
■VN処理の概要■
■処理温度
480~580℃の領域で処理します。
■ 窒化層の深さ
標準の条件で下記に示してある硬さ分布曲線で処理されます。
■ 付き回り性
形状を選ばず、1.0ミリ前後の深い溝や孔の中にも均等に形成されます。
■ 面粗度
ガス窒化特有の表面が薄いグレーに変色しますが、基本的には処理前の加工面の光沢が残る状態で処理されますので、肌荒れの心配はありません。
■ 変寸変形
合金系材料の場合は100ミリ径で0.01~0.005ミリ、SS材、SPCC材、炭素鋼などの材料の場合は100ミリ径で0.01~0.015ミリ程度の膨張で処理されます。
もう少し膨張を抑える仕様もございます。
■ 処理効果
処理をする事で間違いなく強度アップを図れます。よって当初の耐久から大幅な耐久改善が望めます。アルミダイカスト型の場合はヒートチェックと溶損の発生を顕著に防ぎます。
■ VN処理の日程
ブイナイト処理は現在は量産品が多く事前予約制となっており、予定を組んでの処理実施となっております。
各種材料のVN処理硬さ曲線
各種材料のVN処理での表面硬さ
材料(鋼種名) | 表面硬さ(100gr) |
高速度工具鋼 (SKH51,ASP,HAP etc) | 1000~1200 |
冷間ダイス鋼 (SKD11,DC53,PD613,HPM31) | 1000~1200 |
熱間ダイス鋼 (SKD61,DH21.DAC10 etc) | 900~1100 |
快削熱間ダイス鋼 (DH2F,FDAC) | 900~1100 |
析出硬化鋼 (NAK55,HPM50 etc) | 700~900 |
機械構造用合金鋼 (PX5,EM38,PLAMAX etc) | 700~900 |
機械構造用炭素鋼 (S20C,S45C,S55C etc) | 600~800 |
機械構造用圧延鋼 (SS400,SPCC etc) | 600~700 |
片状及び球状黒鉛鋳鉄 (FC,FDAC etc) | 600~700 |