BPN処理採用の要点と実績

BPN処理はプラズマをベースにした新しい表面改質処理で、コーティング処理と窒化処理の中間に位置するような独自のシステムにより低温下で安定した窒化層を形成させます。
低温域でのBPN処理は、金型だけではなく広範な業界の機能部品にも多く採用されております。特にステンレスを多用する食品機械関連、実装関連の精密パーツ、半導体生産周辺機器に採用される部品などで、耐久耐食性の両立を必要とする製品に高い評価を得ております。是非一度ご検討ください。

より多くのお客様にご採用頂けるように、何点かのポイントを記します。

  • オーステナイト系ステンレスの耐食性を損なわずに表面強度を上げたい
  • ガス窒化でバラつく品質を改善させたい
  • 窒化での精度を重視したい
  • 低温焼戻しを行った金型に窒化をしたい
  • コーティング処理との複合を短納期にしたい
  • 500㎏以上の大型サイズの金型や部品を短納期で処理したい
  • 鏡面製品に窒化処理を施したい
  • シボ面に窒化処理をしたい
  • 安定した量産品を生産したい

これらの内容については、具体的にお打ち合わせをさせて下さい。

BPN処理が活躍している具体例

食品関連①

飲料等による腐食を防ぎ耐摩耗を上げたい

メッキの代替えとしてSUS630に耐食仕様のBPN処理を採用でコストの削減を実現。
同時にメッキ片の混入リスクを解消。

食品関連②

PET成形の金型

STAVAXやHPM38で製作したリップキャビティ周辺金型に低温窒化をすることで安定した耐食、耐摩耗を実現。

大手コンシューマープロダクツ事業関連

薬品による刃先の浸食防止と寿命改善

生理用品向けラインの大型彫刻ロールの刃先をメッキの代替えで低温BPN処理を採用。メッキ片の製品混入リスクの排除を確認。

自動車関連部品メーカー樹脂成形金型

羽根車形状した金型の抜け性を良くしたい

粉末合金を使用した焼入型のフィン形状の内面に微細な凹パターンを形成させて、BPN処理で形状の焼き付けを実施、離型の改善に成功、現在も同様のテストを実施中。

自動車関連部品メーカー樹脂成形金型

冷却水路の防錆と同時に窒化処理を実施

熱間ダイス鋼を使用した焼入型にBPNOX処理を実施、冷却水路内の防錆に効果を示すと同時に窒化による強度アップを図ることに成功。

大手電機メーカー実装機部品

実装ノズル部品の低コスト化と耐久改善

今まで超硬や高硬度の焼入鋼を使用してきたが、深浸透条件のBPN処理を採用。SUSに30μ以上の硬化層を形成させ超硬同等の耐久を実現。

保安部品関連の摺動部品

SCM材の焼入れ代替えとしての窒化

コスト削減の一環で焼入れによる変形改善のため、BPN処理で深い窒化層を形成させた。設定条件により化合物層の形成を最小限に抑え表面焼き入れ同等の硬化層で無事目的を達成することに成功。

携帯電話関連の金型

インサート成形での耐食・耐摩耗改善

PL部分の耐久改善にBPN-Mを実施、合わせ部の耐摩耗、耐久改善と同時に鏡面の強度改善を図る。鏡面の曇りは軽微で、ほぼ簡単なポリッシュのみで完了、問題なく生産に対応しており、リピートで処理加工をしている。

ステンレス製ネジのカジリ防止

腐食を防ぎ耐摩耗を上げたい

SUS316や304に耐食仕様のBPN処理を採用。3%塩水の腐食試験にて72時間をクリア。
現在では食品関連のステンレスのシューターなどにも採用されている。

※今後はお客様の了解をもって、実物の画像もアップしていきます。